IT業界で約20年間、いろいろな案件、いろいろな現場、いろいろな人と関わってきました。
本記事では、そんな僕が感じる仕事で評価される人と評価されない人の特徴について紹介しています。
筆者のプロフィール
- 年齢:40代
- 所属会社:大手企業3年、中小企業20年弱 在籍、現在は中小企業の部長
- 習得言語:Java, JavaScript, C#, HTML, CSS, PHP, Rubyなど
- 保有資格:ITパスポート, 応用情報技術者, LPICレベル1
目次
仕事で"評価される人"と"評価されない人"の違い
提出日に対する意識の違い
提出物を期限までに提出するのは当たり前のことです。ただ意外にこれができない人がたくさんいます。
仕事に直結する優先度が高い提出物を忘れる人は少ないですが、月末の勤怠締め、毎月提出する作業報告書など、優先度が低い提出物になると、忘れる人は結構います。
想像してみてください。提出物にはかならず依頼者がいます。
例えば、毎月提出する報告書の提出先が課長だったとします。その課長は毎月のように忘れている部下に対して催促しているのです。
忘れている社員は自分のことなのでいいですが、課長には部下がたくさんいます。部下全員をフォローして提出してもらう必要があります。
僕も現在は管理職の立場なので、毎月のように提出を催促しています。そして、たいてい同じ部下に催促しています。
提出物に対する意識って意外に重要だと僕は考えています。なぜなら評価するのは人だからです。信頼できる部下は評価されます。
「今月の10日までに提出してください」と1日に連絡したとき、次の3つに行動がわかれます。
- すぐ提出してくれる人
- 10日に提出してくれる人
- 期限を過ぎても提出してくれない人
仕事の状況にもよりますが「すぐ提出してくれる人」は、気配りができ、仕事の進め方が上手な人が多く、「10日に提出してくれる人」は、面倒なことは後回しにしがちなタイプが多いように感じます。
そして「期限を過ぎても提出してくれない人」は責任感がない もしくは 個の意見が強く(提出する必要性を感じない)勝手に判断するタイプが多いように感じます。
そもそも提出物を期限ギリギリで対応していると、その日風邪をひいてしまったらどうするのか?仕事でトラブルが発生してそれどころではなくなったらどうするのか?結局、リスク管理が出来ていないのです。
何事も余裕を持って作業することで、仕事のパフォーマンスが上がるのではないでしょうか。
作業見積もりができるかどうか
IT業界はモノ作りの業界です。
システムをするとき、スケジュールを組みます。そのスケジュールはプロジェクトリーダーが作成し、スケジュールに沿って作業を進めていきます。
このとき大切になってくるのが、設計や開発の担当者がスケジュール通りに作業を進めてくれるかどうかです。
作業スケジュールはプロジェクトリーダーが作成しますが、あくまでもプロジェクトリーダーが考えたスケジュールです。そのため、スケジュールの線が妥当であるか、正直わからないのです。
そこで設計・開発担当者個人が自分の作業が妥当であるか判断する、これが重要になっていきます。
例えば、プロジェクトリーダーが考えたスケジュールが、どう考えても終わらない非現実的なものだったとします。この非現実的なスケジュールに対し、作業見積もりができる担当者であれば「このスケジュールは厳しい」と言えるのですが、作業見積もりができない担当者の場合、そのまま作業を受けてしまいます。そして、その先には炎上しかまっていません。
IT業界は炎上しているプロジェクトがたくさんあります。炎上している理由には、プロジェクトマネージャーの見積もり(作業に対してもらうお金が少なすぎた)が甘かった、プロジェクトリーダーがうまくプロジェクトをまわせていなかったなど、さまざまですが、設計・開発担当者の力不足で炎上しているプロジェクトもたくさん見てきました。
個人が自分の担当作業が妥当であるか、それを見積もる力は、プロジェクトを円滑に進める上で本当に大切です。
IT業界でエンジニアとして力をつけたいと考えているのであれば、「作業を見積もる力」、この力を身につけるべきです。
自分には関係ないと思わず、常にスケジュールを意識し、スケジュールに遅れないためにはどう進めるべきか、それを考え、状況に応じて上長に相談しながら作業を進めていくことが重要です。
評価される人物は「この人に任せておけば大丈夫」と思われる人物です。そういう人物は必ず「作業を見積もる力」を身につけており、上長に指示されるだけではなく、上長から逆に「この作業見積もりどう思う?」と相談されたりします。
- スケジュール通りに作業ができず毎回のように遅れていませんか?
- 序盤は定時であがり、終盤に焦りはじめて毎日遅くまで作業してたりしないですか?
- 難しい作業、わからない作業を後回しにしてないですか?
自分の担当作業が割り振られたら、常にスケジュールを意識し、スケジュールに遅れないためにはどう進めるべきか、不明点は早めに洗い出し、常に余裕を持つ、厳しいスケジュールだと感じたら、序盤から残業して対応するなど、早め早めの行動が大切です。
早め早めに行動する癖をつけると、スケジュールより早く作業が終わるようになり、遅れている人の手助けをすることに、その結果、上長からの評価が高まります。
「イエスマン」には限界がある
作業をお願いしたらなんでも「ハイ」と引き受けてくれる、いわゆる「イエスマン」は非常に助かります。
ただ「イエスマン」には限界があります。
IT業界はモノ作りの業界であり、次から次へと新しい技術が登場します。
そのため、全てを知っているエンジニアはいません。得意分野には詳しいが、やったことのない分野の情報は知らなかったりします。
プロジェクトを管理する「プロジェクトマネージャー」や「プロジェクトリーダー」も同じです。仕事ができる人でも、間違った(勘違い)指示をしてしまうことは珍しくありません。それくらいIT業界の技術は専門的なのです。
上長から間違った指示があったとき「これは違います」と「これはこうした方がよいと思います」と意見を言ってくれる人は貴重です。
上長からの指示は間違っていないという固定観念にとらわれ、そのまま作業をする人ではなく、上長からの指示が適切かどうか判断できる人材の方が評価されやすい傾向にあります。
ただ上長によっては部下から指摘されるのを嫌う人もいるので、そこは相手によって言い方を変えるなどの工夫が必要です。
何かを変えたいと思ったとき「不満を言う人」と「行動する人」
システム開発には多くの人が関わります。
現場や案件によってやり方はさまざまで、あきらかに非効率な現場、やりにくい人など、不満要素が多く存在します。
そのため「不満を言う人」はよくいます。
評価される人と評価されない人で違うところは
- 評価されにくい人:不満だけを言う
- 評価されやすい人:提案をして、自ら率先して行動する
不満はみんなあるのです。ただ文句を言っていても何も変わりません。
愚痴は話す人にとってはすっきりする事かもしれませんが、聞いている人にとっては不快なことです。もちろん愚痴が好きな人どおしであればお互い気持ちが良いのかもしれませんが、愚痴ばかり言っている人は評価されません。
なぜなら会社の管理職は理不尽なことに対して対応できる人物でないと務まらないからです。
何かを変えたいと思ったのであれば、文句を言うのではなく、どうすれば変えることができるのか、それを分析し行動することが大切です。